2014年12月27日土曜日

なぜMBAではなく、博士課程なのか (2)

私の受験は2年ほどにおよび、1年目はMBA受験をしたと前回書きました。

1回目の受験がダメだったのがわかった後、まだ留学したいとは思っていたのですが、
本当にMBAで良いのか、疑問がわいてきました。

‐ MBAホルダーは昔は希少だったが、今は結構いるのではないか
‐ 本当にビジネスに興味があるのか
‐ ジェネラリストで良いのか
‐ MBAを取得して、何がやりたいのか
‐ みんなと同じ道で良いのか

最後の「みんなと同じ道で良いのか」というのは、自分の中では結構大きくて、
やはり他の人々と違うことがやりたい、という考えは常にあります。
(もちろん、修了後何をやるかによって差別化すべきであって、どのコースを選択するかは
関係ないかもしれません)

では、MBA以外の留学を志すとして、どのようなコースがあるのか。

‐ 数学が好き
‐ 数学系の修士号は既に持っている
‐ 仕事で金融数学に関わっていた
‐ 仕事で見てきたものをいつか研究してみたい
‐ 社会人から博士号にチャレンジする人はあまりいないのではないか

上記のことから、数学の博士号を目指すことにしました。

金融数学の修士課程というのもありますが、次のような特徴があると思います。

‐ 基本的に卒業後は就職(主に金融)
‐ 就職において必要になる金融数学を勉強する(研究ではない)
‐ ジェネラリスト育成コースというイメージ
‐ MBAと同じく、メジャーな資格になってきている(=多くの人が取得)

上記のいろいろな特徴を踏まえて、総合的に博士号が良いな、というところに落ち着きました。

博士課程のデメリットを挙げるとすれば、期間が長いことでしょうか。
金融の修士課程やMBAが1年から2年であるのに対し、
博士課程は修了するのに3年から5年かかります。

そして、日本で特に言われることだと思いますが、就職先が少ない。
これに関しては、本当かどうかよくわかりません。
ただ、個人的な意見ですが(一般的な企業がどう思っているかわかりませんが)、
MBAも、他の修士号も、博士号もあまり大差ないような気がします。

MBAはキャリアの選択肢を広げられ、
専門的な修士号・博士号はそれを狭めることになると思いますが、
その狭い選択肢の中でも多くの可能性があるのではないでしょうか。
例えば、将来フードチェーンの経営職にもともと就く意志がないのであれば、
それが選択肢に入っていようと、いなくても関係ないと思うのです。
逆に、例えば数学の博士号であれば、おそらく選択肢も数学系のものにおのずとなるので、
むしろいらない選択肢がもともと入っていなくて良いかもしれません。

2014年12月26日金曜日

なぜMBAではなく、博士課程なのか (1)

特に社会人留学に言えることですが、留学といえばまずMBAが挙げられます。

MBAは今までの仕事の延長線上というよりも、
基本的に全く異なったキャリアを築くためのものだと個人的には思います。
キャリアの「リセット」ボタンというのでしょうか。
MBAでの授業を受けたことはないので具体性に欠けますが、
ビジネス全般において必要な事柄を学んだり、
ケースステディを通してビジネスにおける思考力を養う。
だから、いろいろな職種に対応できますし、いろいろな企業がそういう人材を欲しがっています。
もちろん、社費留学の方もいらっしゃるでしょうから、
そのような方は在籍していた会社にもどるのでしょうけど、
多くの方が今までとは違った職に就くと思います。
仮に、卒業後に同じ業界に再度就職する場合でも、
より「上の」会社に就職する場合が多いのではないでしょうか。
海外のMBAを取得した場合、ほかの言語(多くは英語でしょうけど)でディスカッションができる能力を習得したというのは
日本の企業にとっては特に魅力的だと思います。
そしてMBA受験者にとっても、再就職先の選択肢が広がる、
というのは魅力的なのではないでしょうか。

私は2年ほど留学に挑戦してきましたが、1年目は多くの方と同じくMBAに挑戦しました。
GMATの点数が少々低かったと思いますが、それ以外は特に悪い点はなかったと思います。
敢えて挙げるとすると、MBA取得後のキャリアイメージができてなかった点でしょうか。
私のイメージでは「会社勤務→MBA→再度就職」という図式がイメージにありましたが、
実際どの業界で何をやりたいのか、MBAをどう活かしたいのか、
というイメージ形成ができてなかったかと思います。
そして、私は普通のMBAではなく、プラスワンを求めていたので、
MBAとJD(法学学士)がくっついたコースに出願していたのですが、
このJDに出願するために受けなければならない試験で失敗してしまいました。
普通にMBAのみで出願していれば通っていたかもしれませんし、
それでもダメだったかもしれません。

ちなみに、JD出願のために受けるLSATは非常に難しく、短時間で多くの問題を解く試験です。
TOEFLやGMATは一回良い点数を取れば良い試験である一方、
LSATは過去の悪い点数も考慮に入ります。
一回目に良い点数を取れば良いですが、悪い点数をとってしまうと確かその後5年ぐらい影響してしまいます。
今まで受けたスタンダードな試験の中で一番難しかったといっても過言ではありません。
あまり参考にならないとは思いますが、試験対策としては市販の問題集をひたすら解きました。

2014年12月24日水曜日

参考サイト

前回書いたように、MBA受験者の方の情報は検索サイトで検索すれば結構出てくるのですが、
博士課程の留学となるとあまりなかったように思います。

おそらく留学への切符を得る近道は、留学専門の塾というか学校に行くことだと思うのですが、
自分で情報を得ようとすると、なかなか難しいように思います。

以下、受験の際に参考にしたサイトです(主に数学系です):

Mathematics GRE Forum

アメリカへの数学・応用数学・統計学への留学を考えているならば、
すごく参考になるサイトです。
将来や受験校についての相談とそれに対する回答などが載ってます。
そして、過去の受験者の情報なども載っているので、
どのようなGRE・GRE Subjectテスト(後日、説明します)の点数で
どのような学校を受験し、合格したのかを見ることができます。
ちなみに、このサイトの物理版(もともとはこちらが本元らしいです)もあります。
PhysicsGRE.com http://www.physicsgre.com/

QuantNet

これは金融数学を専攻しようとしている方々にとって、参考になるサイトです。
提供されている情報は上のMathematics GRE Forumとほとんど同じですが:
- 主にMSc(修士号)向け 
- 金融工学の修士のランキングがある
- Baruch College卒業生とスタッフが多く集まっているため、この学校がランキングにおいて高くランクされており、すごい薦めてくる
(実際悪い学校ではないと思うのですが、意見が偏っているので注意が必要です)
- いろんな受験生の情報が載っており、出願してからどれくらいで結果が得られるのか、なども載っている

The Grad Cafe

いろいろな大学院の出願情報と結果情報が載っています。
一番上の検索で例えば「math*」と打ってボタンを押すと
ワード「math」の入った過去の受験結果が出てきます。
その受験者がGREやGRE Subject Testの情報を入力していれば、
それらも見ることができます。


あとは、個々の大学のサイト、および世界ランキングのサイトを参考にしました。
ランキングは分野によって、判断基準によって大きく異なりますので、
参考程度にすると良いと思います。
以下、様々なランキングのサイトです:

QS World University Ranking
http://www.topuniversities.com/qs-world-university-rankings

Times Higher Education
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/

Academic Ranking of World Universities
http://www.timeshighereducation.co.uk/world-university-rankings/

The Complete University Guide (イギリス)
http://www.thecompleteuniversityguide.co.uk/league-tables/rankings

The Guardian によるランキング (イギリス)
http://www.theguardian.com/education/ng-interactive/2014/jun/02/university-league-tables-2015-the-complete-list

2014年12月22日月曜日

はじめに

2014年の9月からイギリスの大学院で博士号を取得するべく、留学しています。

社会人として8年ほど企業に勤めていましたが、自分の力不足を痛感し、
自分自身の成長の機会として今回、留学を決意しました。

あまり苦労を人に見せないタイプなので、
留学もさぞかし簡単だったんだろうと思われがちなのですが、
ここに至るまでには正直、かなり苦労しました。
ついていた職業柄、ストレス耐性はかなり強い方ですが、
それでも受験期間に帯状疱疹にかかったりもしました。

大学院といえば、まずMBAが挙げられますが、
MBA在籍の多くの方々が情報提供されているおかげで
大変参考になる情報はたくさんあります。
ただ、他の大学院(ましてや社会人受験)となると、
あまり経験されている方がいらっしゃらないのか、
情報が少なかったように思います。

「情報提供」というと、上から目線のような感じを受けるので抵抗があるのですが、
このブログを通して、むしろ「情報シェアリング」ができれば良いと思っております。