2015年6月30日火曜日

受験校選び

受験校の選び方について個人的な見解を書きます。

日本人にとって、海外の大学というのは馴染みがありません。
知っている大学といえば、アメリカでいえばハーバードやMITなどでしょう。
もちろん、それらの大学は他の(日本人以外の)受験生も知っているわけで、
彼らもそれらの大学を受験してきます。
要するに、世界的に有名な大学は競争率が高いのです。

一般的な人が受験校を選ぶプロセスといえば、私もそうでしたが
・いろいろ存在する大学ランキングの上位を選ぶ (専攻別を含む)
・有名な先生のいる大学を調べる

というものだと思います。
ランキング云々に対する批判があったりすると思いますが、私はこれで良いと思います。
いくつかのランキング上位に入っている大学は、やはり世界的に見て優秀である場合が多いからです。

ただ、いくつか注意点があります。

1.目的は博士課程で研究することであって、学校に入ることではない

もちろん、有名大学に入って自分のやりたい研究ができればそれに越したことはありません。
有名な大学(むしろ自分の手に届くか届かないかぐらいのレベル)は受けておくべきです。
記念受験という意味合いもありますが、特にアメリカの受験では何が考慮されているのかわからないので、
思わず受かる場合もあるからです。
ただ、上にも書いたように、それらの大学では競争率が高いです。
なので、それらの「入りたい大学」以外も探しておきましょう。

私は元々アメリカの大学を志望していましたが、
同時にイギリス・フランス・オーストラリア・シンガポール・香港・日本の大学院を調べていました。
いろいろな選択肢を考える過程で、他の選択肢が魅力的に思える場合もあるのではないでしょうか。

「失敗したときのことを考えて行動する」のに否定的な方がいらっしゃいますが、
実際失敗したときに、彼らが代わりにどこかの大学に入れてくれるわけではありません。
受験は何十回も行うものではなく、合格することのみが目的でもありません。
もしも自分の理想である第一志望の大学に受からなくても、
他の大学に合格して自分のやりたい研究が満足にできれば、
それは受験において「成功した」といえると思います。

2.指導教官になってくれる先生を探す

日本人は一般的に消極的なので、会ったこともない人にメール・電話するのは気が引けます。
ただ、海外の大学を受験する際には指導教官になってくれそうな方に少なくともメールしましょう。

これにはいくつか理由があります。

1つには、その指導教官が生徒を受け付けていない場合があるからです。
私は指導教官になってくださる先生方に、こういう研究がやりたいんですけど、興味ありますか、
というメールをいくつも送りました。
全く返事が返ってこない場合もありましたが、
「現在、すでに博士課程の学生を○人見ているから、これ以上は見られない」
という返事もありました。
やさしく断るために上のような返事を書いてきた可能性もなくはないですが、
どちらにしろ受験しても彼(彼女)の下で研究できなさそうだということが事前にわかります。

実際に受験する場合には受験料などもかかりますから、
元々目当ての指導教官が生徒を取ってないことを知ってて受けるのはもったいないです。
ものすごく優秀で、その分野で権威ある教授から推薦状を何通かもらえるのでない限り
他をあたるべきです。

以上の2点ですが、強調しておきたいのはやはり有名大学を狙うべきです。
いろいろ理由はありますが、そういう大学では総じて学生のレベルが高いからです。
博士課程まで来て、ダラダラ研究する学生はあまりいないとは思いますが、
彼らと議論する機会もあると思いますので、そういう議論を通して自分をレベルアップさせるのも
必要だと思います。

2015年5月25日月曜日

アメリカとイギリスの博士課程の違い

アメリカとイギリスの博士課程を受験しましたが、
選考方法にも博士課程の内容にもいろいろと違いがあり、
気が付いたことを並べてみました。

1.アメリカは学士取得後、すぐに博士課程に入ることができる

日本でdegreeを取得するためには学士→修士→博士と、順に取得していかなければなりません。
基本的にイギリスも同じだと思います。
それに対し、アメリカでの修士というのは、卒業後就職する人が取得するものという位置づけであり、
「研究」をするためには修士を経ずに学士→博士という道を歩むことになると思います。
そのため、日本やイギリスでは博士号取得には3年から4年かかるところ
アメリカでは5年、6年を想定しています。
もちろん、アメリカにおいても修士をやった後に博士号を取得することも可能だろうし、
博士号を取得後就職という場合もあります。

2.英語試験

アメリカでもイギリスでも、授業は英語で受けるため、英語が理解できるということを
大学に証明しなければなりません。
そのために、TOEFLやIELTSを受けなければなりません。
TOEFLを受けるのが一般的ですが、私の年にはTOEFL試験での不正が発生したため、
TOEFLの信用がなくなってしまい、大学側がIELTSしか受け付けないということがありましたので、
受験する際には確認してください。

イギリスではIELTSを推している印象を受けました。
試験内容的にはTOEFLもIELTSも似たようなものですが、IELTSは2日かけてやるのと、
スピーキングの試験が面接官と直接面と向かって1対1で座ってやる、という違いがあります。
IELTSの方が若干やさしめの印象を持ちました。

3.筆記試験

イギリスではあまり聞かれないかもしれませんが、
英語の試験以上にアメリカで重要視されるのがGREです。
日本でいうセンター試験のようなものと思えば良いと思います。
GREは2種類あり、一般的なものと専門的なものがあります。

一般的なものには数学と国語があり、どちらも170点満点です。
数学・統計に進もうと思われる方は数学は170点近くとるのが当たり前だと思います。
おそらく日本でいう高校までの数学をやっていれば、十分なレベルのものです。

国語はやはりアメリカ人向けの試験ですから、
英語を母国語にしない人にとっては難しいと思います。
あくまで噂ですが、海外からの留学生に関しては国語の点数をあまり重要視しない、
ということもあるとかないとか。
もちろん、高得点を取るに越したことはないですけど。

それ以上に重要視されるのが専門分野のGREです。
これは年に数回行われる専門分野の試験で、
数学に関しては大学レベルの数学が題材になります。
990点満点です。

数学に関しては、解析学からの出題が多いようですが、代数学・幾何学からも出題されます。
内容に関しては口外してはいけないので、控えますが
時間内にすべてを解くのは結構難しいと思います。
物理では990点満点を取っている人がいるようですが、数学ではあまり聞いたことがありません。

そして、私の記憶からすると、問題を間違えると減点されます。
点数が与えられないのではなく、点を引かれてしまうのです。
なので、わからない問題は当てずっぽうではなく、答えないのが良いかと思います。
ただ、結果は一番良い点数を採用できるはずなので、何回でも受験可能だと思います。
(制限があるかもしれませんが、あっても緩かったと思います。。。要確認ですが)

そして、試験会場は日本全国で3か所ほどしかありません。
私の場合、福岡で受けようと思ったらもう埋まっていて、沖縄で受けることになりました。
受けると決めたら、早めに申し込みましょう。

参考書としてはこちらが良いようです
(むしろ、他に見当たらない、という方が正確かもしれません)
http://www.amazon.com/Cracking-Mathematics-Subject-Test-Edition/dp/0375429727

2015年3月25日水曜日

なぜ留学か その1

そもそも、なぜ海外の学校に行くのか。日本の学校ではダメなのか。

いろいろと理由があるとは思いますが、個人的に挙げられるものは以下のとおり:

1.社会人の受け入れやすさ

一般的に、日本では専門的なフィールドの場合、
社会人を受け入れる体制があまり整っていない気がします。
(もちろん、「社会人枠」というのはあります。)
社会人は経験こそあるものの、専門的な知識は修士から直接博士課程に入ってきた学生には及びません。
どのくらいその経験値を重要視するかが海外の大学と日本の大学で異なる気がします。

(日本の博士課程受験は実際にする機会がなかったので、募集要項を読んだ感想です。)


2.日本で経験できないことを経験する

これは学術的にも生活的にもです。
個人的には生活的な部分が大きいのですが。

世界は広いです。
その広い世界の「日本」という小さい一部分だけを見・経験することは悪いことではないけれど、
つまらないような気がします。
日本でも世界で起こる様々なニュースを報道しているので、
日本にいながらにして世界で起こっている大部分を知ることができます。
しかし、その国で生活するからこそ経験できる・知りえることも多くあります。
(その国・日本の良さ、生活の苦楽、など)

いくつかの国での生活を経験したって、別に偉いわけではありません。
ただ、その国々での経験で広い視野を入れられるというのは
貴重なことのような気がします。

そして、日本語以外を使って生活するというのも良い経験だと思います。
その国の文化などをくみ取ることもできますし、他の言語を身につけることができます。
自ずとその国の人々と関わることになります。
それはきっと人生においてプラスとなるはずです。

いろいろと理由を述べましたが、日本人は放っておいても
いつまでも日本に住むことができる(はず)なので、
若いうちに他の国々で生活する方が面白いんじゃないか、ということだと思います。